黒部・下ノ廊下 第二部
素人の山行「黒部・下ノ廊下その2」です。
その2では、前泊地である ロッジくろよんから登山口に入り 内蔵助谷までの道のりについて紹介します。
ロッジくろよんから
睡眠が何より大事という研究員は、5時半頃起きて6時頃ロッジくろよん後にしました。
出立の早いパーティーは4時頃起きて、5時には出発しているというパーティーもいましたが暗い早朝に谷底に下りていくのも素人には少し危険に思い、とにかく睡眠不足だけは避けたいと寝たいだけ寝ています。
とりあえず、黒部ダム駅を目指します。
誰もいない静かな黒部湖湖畔にて。
朝日を浴びて輝く山々が非常に美しいのですが、持っていた安いカメラでは露出が飽和寸前なので、現像ソフトに頑張ってもらいました。
この日の天気は朝から曇り空で雨は降ることはないと考えていましたが、景色を楽しめるか不安でした。
黒部ダム堤体上では少し氷も張っており歩き始めてからすぐ 気分が萎え気味でした 。
登山口(黒部ダム駅側)
まず前日来たトロリーバスのバス停を目指し、ダムを渡りトンネルに入ります。
この時刻だとまだ黒部ダム駅は営業時間ではありませんので、トンネル内の順路は若干営業時間とは異なるものとなります。ご注意ください。
また、従業員の方の車がトンネル内を走っていますので、自身の安全確保ためにヘッドライトの使用をお勧めします。
この登山口への案内標識の画像は前日撮ったものを使いまわしています。
登山口であることよりも、登山者にトロリーバスを使って大町方面に抜けることをアピールしています 。
欅平方面からきた登山者が徒歩で扇沢方面に向かわないためにする方策だと思いますが、バスの運行時間を過ぎて黒部ダムに着いてしまった場合、どのようにすればいいかは考えたくありません。
登山者にとってはここに最後のお手洗いがあります。ここから阿曽原温泉小屋までお手洗いはありません。
外に出ると広い未舗装路を歩くことなります。
研究員は寒かったため、この下りで早足で歩いて体温を挙げつつ、ずんずん進み登山口への分岐を無視して進んでしまったため、引き返すことになります。
山における道迷いというやつです。こんなに建造物が多い場所で道迷いするなどとはお恥ずかしい限りです。
引き返して本来のルートに戻り、コースの案内を探します。そして、ついに見つけました。
それがこちら、登山者憧れのルートにしてはショボい,もとい簡素の案内となっておりました。ここからえらく細く急な道を下っていきます。
黒部川の対岸へ
ほぼダムの高さに相当する130m下ると、昔は工事用の橋の橋脚だったと考えられるコンクリート基部に掛かった細い橋を渡り対岸に向かいます。
橋の水面からの高さがないことと川の水量が多いこと、橋が濡れて滑りやすいことなどから結構怖かったです。
観光放水ではないのですが、ダムから放水されていました。
あの壁の向こうに大量の水が貯められていると考えると、これからその下流を歩く身としては大きな災害やテロなどがないことを祈るしかありません。
一般観光客が来ないだろう場所にもダムの放水についての注意を喚起する看板が設置されています。
綺麗に色彩が分割された紅葉が見えますが、谷底なので光量は少なく薄暗いです。
しばらくは谷底の林の中の路を進んでいきます。
谷の紅葉
しばらくすると谷底を見下ろすことができる開けた場所に出ました。
左岸の岩肌に刻まれた滑らかに波打つラインが登山道となります。
川からの高さは20m程でしょうか、小さくて見えにくいかもしれませんが10名程が歩いています。黒部はこんなスケール感です。
前の写真の撮影場所にレンズを向けてみます。写真中央のジグザグした線の部分が登山道。
登ったり下ったりしながら少しずつ高度を下げていきます。
沢には木製の橋が架かっています。濡れているので滑りやすいのですが、片側だけとはいえ欄干もついています。
間違っても欄干に頼ってはいけません。
橋から谷の奥を覗いてみます。
谷に穿たれた登山道はどう見ても平坦でもありませんし、谷に向かって傾斜しています。
黒部川は透明度が高く穏やかに流れており、河原も広かったのですが、接近できませんでした。
現像ソフトに頑張りすぎてもらったため空が残念なことになっています。
谷の底は紅葉が進んでいますが、上部は青々しています。
内蔵助谷の向こうに燃えるばかりの紅葉が見えますが、木々の真下に行くと紅葉の綺麗さは全く分かりません。
遠目から楽しむのが正解のようです。
この沢にも木製の橋が造作されています。
芸が細かいことに横木が渡されています。
上を見てみるとこんな沢でした。水量が少なかったので、水をかぶることはありませんが、雨上がりの直後は濡れるかもしれません。
草が茂っていて傾斜は緩そうなので、踏み外してすぐに止まれそうかといえば疑問です。
登山道を歩いている限りにおいてはあまり恐怖感はありませんが、踏み外すと厄介です。
谷にしがみつくように生えている草木が見事な紅葉を形成しています。
内蔵助谷
内蔵助谷手前の分岐に通行者に注意喚起するための案内が設置されています。
大分朽ち果ててはいるのですが、何とか内容が読みとれる状態でした。内容は大まかに「距離が長いから通行は計画的に。」「装備は確実に。」「道幅が狭いので気をつけろ。」「登山マナーは守れ。」みたいな内容でした。
そして 内蔵助谷に到着、岩はごつごつしていましたが、平坦な場所がそれなりにあるので小休止にちょうど良かったです。
谷底なのでまだまだこの時間でも薄暗いです。