岡村製作所 Luxos[ラクソス]CZ17CR
今回は研究員のオフィスチェアと云うか、作業用・読書用に使用している岡村製作所製Luxos[ラクソス] CZ17CRについて紹介します。
Luxos[ラクソス]の良い点・悪い点
そもそもLuxos[ラクソス]シリーズとは何なのか
岡村製作所はオフィスファニチャー・家具の分野では有名な会社であり、多くの企業でその製品が使われていますので、その製品を目にした人も多いとは思いますが、なかには企業のオフィスで導入するには少々高価でデザイン性が高すぎるContessa Ⅱ[コンテッサ セコンダ]シリーズやBaron[バロン]シリーズといった一般消費者向けと考えられるシリーズもラインナップしています。
なお、2018年に株式会社オカムラ(英称:OKAMURA CORPORATION)に名称変更されたので、現在は「オカムラ」と表記した方がより正確かと思われます。
Baron[バロン]シリーズ・Contessa Ⅱ[コンテッサ セコンダ]シリーズは、日本では高級オフィスチェアとして非常に有名ではあるのですが、そんな有名な椅子の陰に隠れてあまりにも目立たない高級オフィスチェアいうのが岡村製作所のラインナップに存在します。
それはDuke[デューク]シリーズとLuxos[ラクソス]シリーズです。
この二つのシリーズは座面とハイバックフレームの設計を共有するシーズンですが、Duke[デューク]シリーズはまだ一般的な高級オフィスチェアといった趣です。
一方で低座の形態を持つLuxos[ラクソス]シリーズに関しては、完全に一般的なオフィスで使われることを想定された設定ではありません。
例えば外資系企業のお洒落なオープンミーティングスペースなどにこれを円形に並べておくなどの用途には向くかもしれません。
しかし、これを作業用として使う人はほとんどいないことと思います。
見てみると分かると思いますが、この座面の高さから想定される机の天板のトップ高さは一般的な机に比べておそらく100ミリは低い所にあるのではないかと考えられます。
一般的にオフィスデスクの天板というのは700ミリ付近の高さに設定されるのが一般的ですので、どう考えてもこの椅子を一般的なオフィスや自宅で使用するのは無理があります。
そのため岡村製作所では、このような後傾・低座の椅子に合わせてCruise[クルーズ]シリーズという机を設定しており、価格も一般的な机よりはるかに高いのみならず特殊な構造であるため、非常にスペース効率が悪くまさにオフィス家具と言うには全くふさわしくない構造となっています。
そんな問題が多いLuxos[ラクソス]シリーズですが研究員は購入しました。
五年目のLuxos[ラクソス]
購入から5年が経過しているので、ファブリックの表面の退色や汚れは隠せません。もっと濃い色合いのファブリックを選択すれば良かったのかもしれませんが、大きさが大きさなので、ブラックなどを選んでしまうと部屋の雰囲気が重苦しくなりそうです。
座面自体が低い、脚のフットプリントが広い、各部材が金属製で部品単位で剛性が高い、ガスシリンダー昇降機構がないなどの理由で非常に安定しています。
例え自身の彼氏が頼りなかったとしても、この椅子であれば安心して自分の身を完全に預けることができます。
雰囲気は固いですが、要所又又は人間を支えるために丸くなっており、ソファとまではいかないまでも意外に柔らかいです。
座面はかなり大きく、標準体型の人間でこれを小さいという人間はほぼいないと思います。
やはり少し華やかさに欠けますが、この手術が遅れるとしたデザインで米炊いている全てを任せることができる好生館そして理にかなった設計そういたところにミルクを感じれば間違いなく買っていいと思わせる製品です
真後ろから見てみると、写真撮影のため視線を下げていることもありますが、背もたれとヘッドレストのバックフレームが黒い樹脂でできているため、結構な圧迫感があります。
個人的には背もたれのバックフレームのような模様をヘッドレストのバックフレームにも適用すれば、全体の印象がもっとスマートなものになったと思うのですが、必要がなかったのか、本当に必要とする造形に終始してしまっています。ここは今からでも設計変更をお願いしたいところです。
結構な斜め背面から見てみると、いかにも「必要だからこうなりました」と言わんばかりの金属フレームに背もたれの構造を支える黒い樹脂製のバックフレームが目を引きます。全体が大きいのでフレームが華奢に見えますが、必要以上の剛性を確保しています。
肘掛けも左右で別々の形状アルミ鋳造部品が使用されており、製品全体で中心線の左右で同じ部品が使われているのはボルト・ヘッドレスト可動用の樹脂レール。背もたれのバックフレームを受け止める樹脂製ブラケット・ヒンジの目隠し・リクライニング機構のワイヤハーネスを隠す樹脂覆い・キャスターくらいしか見えません。大型のアルミ鋳造部品が贅沢に使用されており、コストが椅子の良し悪しではないのはわかっていますが、満足感は高いです。
金属製のフレームはさすがにワンピースではなくボルト締結によるマルチピース構造です。ボルトの頭が見えないようにデザイン処理されており、値段相応の配慮が行き届いています。
研究員はポリッシュフレームを選択しましたが、購入当時の澄んだ光沢は失われており、使用に伴って傷も見えますが、目立つようなものではないです。
実はこのポリッシュの表面仕上げですが、どうやらポリッシュ風塗装仕上げらしく、経時変化でくすんできても綺麗なポリッシュを取り戻そうと研磨などしてはいけません。
黒い樹脂製のバックフレームの模様はただの軽量化の為や加飾目的でなく、意図的に剛性を落とすことで背もたれ全体の適度な柔らかさを出すことに貢献しています。ヘッドレストと違いデザインと機能を両立しています。
ランバーサポートの高さを調節するアジャスタは樹脂製の突起でひっかけるタイプのもので、高さこそ調節できますが、サポート力の調節はできません。左右の高さを合わせるのが難しく、節度感もないので、この製品の数少ない不満点の一つです。
座面の下のフレームの裏側にはロット№が記載されたシールと説明書が挟まれています。この部分はただのバックカバーの為か珍しく樹脂製です。リクライニング機構が見えないようにするための目隠しと説明書ホルダーを兼ねています。ちなみに記されていた保証期間は8年間でした。
座面下右側面から。数字が記載されているハンドルはリクライニングの反発力を調整するためのものですが、個人的にはリクライニング機構はある程度馴染むまでいくら調整しても堅い感じがしていました。ある程度使いこまないと動きが渋いままなのかもしれませんが。オットマンは購入しなかったので、リクライニング機構自体あまり使用していません。ちょっともったいないです。
下部を左側から。類を見ない程がっしりとしたアルミ鋳造製の肘掛けは研究員の全体重を掛けても全く問題ありません。安い業務用チェアだと歪んだりするものですが、そのような兆候すら感じさせません。座面の下には座面のスライド機構をロックするラッチの開閉をレバーがあります。ラッチの歯が必ずしもすっきりと入っていかないので、少しぐらぐらします。自動車並みにスコンと入ってほしいというのは贅沢なのでしょうか。
個人的にはこの椅子の最大の見せ場は座面下のメカメカしい機構構造部分だと思っています。贅沢に使用されるアルミ鋳造性の構造材の数々、申し訳程度ですが軽量化のための肉盗みと補剛のためのリブ立てがあったり、加工面から見ても見るべき点は多いです。ボルトの頭が露出している部分も、普段は見えないように奥まった部分の設定されています。
遠目から見ると、左右側面下部の前後の脚の中央の目隠し用の樹脂製キャップがこの椅子のリクライニング機構の主軸の格納場所の様に感じられますが、実際には違います。左右の足をつなぐ梁の締結点となっています。左右のスパンの補剛目的には明らかにごつすぎる構造です。リクライニング機構が備わっていることを主張するた目のデザイン上の加飾だと思われますが、アクセントとしてちょうどいいです。
リクライニング機構の主軸は実は椅子の中央から左右に出ているのです。座面と足を締結しているのは大径の六角穴付きボルトと調整用の細い補助ボルトが2本だけで、椅子の大きさからするとかなり一点に荷重を集中させる構造です。おそらくDuke[デューク]シリーズと設計を供用するための工夫だと考えられます。
真横から。程よいボリューム感と繊細さが同居しながらも、骨太なデザインで弱弱しさを全く感じません。「道具とはこうあるべし」といった主張を感じます。
主構造材の製造方法から製品自体の価格が効果になっていますが、部分的に流用して別のテイストで製品を展開してもいいような気がします。特に足回りの基部をそのままに、バックフレームを全面的に樹脂化して廉価版を出しても悪くないような気がします。
フルリクライニング時はこんな感じです。寝られるオフィスチェアなどに比べれば、リクライニング角度はそこまでありません。膝裏が持ち上がりますが、足の短い研究員でもこの状態でもしっかりと床に足の裏を着くことができます。本来ならオットマンも同時に購入するのが正解ですが、オットマン一脚で安いオフィスチェアが何脚も購入できることを考えるとおいそれと手が出ません。
ヘッドレストは樹脂製のレールに沿って上下に、角度についても下側のヒンジによって調節可能です。それなりに可動域は広くとられていますが節度感はいまいち、それはほかの部分の作りが良すぎるためで、オフィスチェアとしては十分すぎる構造です。
全体的には気に入っているのですが、気になる点がないわけではありません。それは肘掛け。
合成樹脂のソフトパッドなのですが、耐摩耗性が低いのか、使っていくうちの梨地のブラックがツルツルしてきて、白化も認められます。目から近いだけに少しくたびれた印象になってしまい残念です。ただ、合成樹脂のソフトパッドの材料の選択肢が少ないのが現実ですし、硬質の肘掛けではプロダクトの格からふさわしくないと考えられたのも理解できますし、布張りなどにすれば耐久性が落ちる可能性もあります。最適な対応策は思い浮かびません。
今後、加水分解が激しくならないように祈るしかありません。
購入する前から感じていたことですが、Luxos[ラクソス]シリーズは作業用の椅子には適していないと考えます。ただし、ゆったりと時間をかけて何か観賞したり、音楽を聴いたり、本を読んだり、物想いにふけったりといった時間を贅沢に使うにはかなりお勧めします。
購入経緯
実は研究員はその昔から自宅に所有欲を満たし、自身に合った座り心地の作業用チェアを迎えたいと考えていましたが、なかなか理想とするオフィスチェアを探し出せずいました。
また、このようなオフィスチェアは非常に高価なために研究員のような薄給のサラリーマンにとってはとても手が出るようなものではありませんでした。
そして、流行りのゲーミングチェアは趣味に合わないばかりか、座ってみてもしっくりきませんでした。
しかし、長年憧れ続けた後、勤めていた会社を辞めた時に会社に対して残業代の不払いを請求した結果、一時的に大きなお金を手にしました。泡銭は何かちまちましたくだらないものに浪費してしまうのではないかとという自身に都合の良い解釈に従い、調子乗って憧れていた作業用チェアを買ってしまいました。
この椅子に辿り着くまでに、研究は何回も何回も何日も何日も予定もない寂しい休日や会社終わりに家具屋に立ち寄っては、何時間でも椅子に座り、椅子を買うという目的を満たすまでの時間を有意義に消費しました。
例えば有名どころでは、「ハーマンミラー アーロンチェア」「「ハーマンミラー エンボディチェア」「コクヨファニチャー ing」「スチールケース リープ」「オカムラ コンテッサ 」「オカムラ バロン」「イトーキ スピーナチェア」「レカロ オフィスチェア ブラック」などとにかく座りまくりました。途中、「いい椅子って何だろう?」とは疑問が沸き起こりましたが、それでも座り続けました。
この椅子にしたのは実は岡村製作所のホームページを端から端まで見ていた頃に、ショールームでは見ない形状のオフィスチェアを見つけたことに始まります。Baron[バロン]シリーズやContessa Ⅱ[コンテッサ セコンダ]シリーズが非常に丁寧に説明されているのに対し、このラクソスシリーズは、「まぁ、とりあえず説明はしていますよ」程度の紹介ページで終わっていました。家具店でもディスプレイされていないのを合わせると、全くやる気を感じませんでしたが、調べてみると値段だけは本気を感じざるをえませんでした。
とりあえず興味は持ちましたが、全く座らずに購入するということは全く考えられず、ここから、ラクソスシリーズに座るという研究員の旅は始まりました。方々のの大型家具ショールームを確認してまわり、ついに東京の岡村製作所のフラッグシップショールームで見つけることができました。
実は大阪の梅田のショールームでも片隅に一脚だけ姉妹シリーズのDuke[デューク]シリーズは置いてあったのですが、やはりラクソスシリーズは展示していませんでした。
曲面が多く、インダストリアルデザイン界の巨匠ジウジアーロの手になる芸術的なデザインのBaron[バロン]・Contessa Ⅱ[コンテッサ セコンダ]シリーズに惹かれる向きも多いのかもしれません。しかし、普段から何事にもお洒落とは無縁で野暮い研究員には、このちょっとカクカクとした質実剛健な感のあるラクソスシリーズは、少し親近感が湧く椅子でありました。ですので座ってみてそんなに悪くないと確認してからというもの、片時も頭から離れなくなり、終に2015年に購入に踏み切りました。
購入
当時、清水の舞台から降りる気持ちで購入しましたが、当時からお金のない研究員でしたので、Yahoo ショッピングで最も安い価格を提示している店舗からポイントバックキャンペーンの時期を見計らって購入。
購入から約一週間後くらいに、当時暮らしていた賃貸物件の部屋にやってきました。なんと配送は岡村運輸が担当しており、ヤフーショッピングの店舗はあくまでも契約の取次ぎを行っただけという、完全においしいところだけ持って行った形でした。
驚くことに、このメーカー公称寸法の巨大な椅子は全く分解されることなく、完全にカタログ通りの姿をダンボールに包まれた状態で配送されてきました。パッケージの第一印象は完全に洗濯機か小型冷蔵庫でした。
運んできた岡村運輸の配達員さんと見つめあいながら、研究員の狭い賃貸住宅内では開梱するのは困難と判断して、配達員さんと玄関前で開梱し、二人で傾けながらやっとの思いで当時の賃貸住宅の玄関を通過させ、部屋に運び入れました。
岡村運輸の配達員さんもLuxos[ラクソス]シリーズを運搬することは滅多にない」と言っていたので、相当売れていないのは確実そうです。梱包していた段ボールは配達員さんが回収してくれたので、後片づけは楽でした。さすがは専門業者。
ですので、この椅子を持って部屋を移動するのはあまり考えられません。狭い我が家に置いたらそのまま根が生えたように定位置で運用しようと心に決めましたが、会社でいろいろやらかし、購入から3ヶ月後には遠い勤務地に飛ばされる研究員なのでした。